例の黒い本の件

春合宿中に暇潰しの為にコンビニで買ったいかがわしい本。別にエロ本ではない。いわゆるオカルト本である。ただでさえ怪しい分野なのにコンビニに売られていることによりもはや冗談の域に達していると思った。
しかしこのいかがわしい本には蠱惑的な何かがあったらしい。まず本を買って研修所に戻るとちよが熟読し始めた。それまでみんなで楽しく遊んでいたWiiスポーツを放り出してである。この時点ではオカルト好きなちよだしなと少し思うだけだったが、食堂で晩飯を食った後、流石にちよは4時間も読んでたし返してもらうかと部屋に戻ると、なんとヒロポンがいかがわしい本に熱中していたので驚いた。ところで俺はまだ1文字も読んでいないのだが。それはさておきオカルトなんて興味のなさそうなヒロポンが熱中していたのである。でもきっとそれだけ面白いんだろう。俺はWiiスポーツをやりはじめた。
翌朝、本が無くなった。ヒロポンに問いただすと「たくみ会長が持っていきました。」という答えが帰ってきた。お前ら俺にレンタル料払えよ。たくみに返してくれと言うと「いいですよ。…読み終わったら。」と言いやがった。頼むから俺にそのいかがわしい本を読ませてくれ。
春合宿から1週間。まだ俺はあの本を読んでいない。たくみは返す気があるのか。いったいコンビニで買ったオカルト本がどんだけ面白いんだ。はよ返せ。